リズムギターの基本的なフレーズの一つであるパワーコードの弾き方の説明その3。このページでは3弦をルート音に取った場合のパワーコードの弾き方について考えていきます。ポイントは1、2弦の押さえ方をどうするかです。
3弦にルート音があるようなパワーコードのTAB譜の例としては、以下のようなものが典型的な形です。
赤色の部分がルート音です。
図1-1の譜面例には低音側と高音側のものを例として示しています。スコア等で見かけるとすれば高音側のコードでしょう。低音側のコードはあまり見かけることはないかもしれません。その理由としては、フレット位置が低いとフレット感覚が広くなるためコードが押さえづらいことや、4弦ルートのコードに置き換えてそちらのコードで弾いたほうが楽であるためではないかと思います。
図1-2、1-3では、これらのコードの押さえ方を示してあります。どちらのフォームも1、2弦は小指、または薬指でまとめて押さえます。1、2弦のフレット位置は同じなので1本の指でまとめて押さえる(セーハ)ほうが効率的でしょう。上の例では、Gコード(高音側のコード)は1、2弦15フレットを薬指で押さえてますが、これを小指に変えても構いません。よりハイフレットなポジションのコードになるとフレット感覚が狭くなってきて、小指でのセーハが窮屈になるかもしれません。その場合は薬指で押さえれば楽になると思います。
パワーコードその2(4弦ルート)と同じように、3弦ルートの上記のコードをパワーコードと言われて不思議に思う人もいるかもしれません。そんな人は以下の譜面を見て下さい。
この図の右2つはよく見慣れた5弦、6弦ルートのパワーコードですね。これら4つのコードはポジションが異なりますが、全く同じ音で構成されており同じものなのです。
3弦ルートのパワーコードのミュートは4、5、6弦に気をつけることになります。ポイントは以下の2点です。
今回の例のようなコードは結構押さえづらいです。ハイフレット側のポジションならばまだマシかもしれませんが、ローフレット側のポジションだと指を多少なりとも開くことになり、中々キツイかもしれません。
したがって、ミュートに関してはまず右手のストロークに意識を向けましょう。具体的には鳴らすべき1、2、3弦のみに確実にヒットするようなストロークを心掛けます。鳴らす弦が下半分の弦のみに限られているので、ピッキングのコントロールは気持ち的には楽でしょう。
右手だけではやはりミュートは不十分なところもあるので、左手の空いている指も使ってミュートします。4弦ルートのパワーコードやオクターブ奏法のページでも扱ったように、空いている左手の中指を伸ばして4、5、6弦に触れさせておくことでミュートの手助けをします。コードフォームとしてキツイかもしれませんが、よく練習して指を慣らすと良いです。
ローフレット側のコードの場合は、大抵の人が小指で1、2弦をセーハすることになると思います。しかし、それだと非常に弾きづらかったり、ミュートがどうしてもあまくなったりするかもしれません。
そのような場合はコードを4弦ルートのコードに置き換えると良いです。具体的な置き換え方は次のページで説明します。