リズムギターの基本的なフレーズの一つであるパワーコードの弾き方の説明その2。ここでは4弦をルート音に取った場合のパワーコードの弾き方について考えていきます。
4弦にルート音があるようなパワーコードのTAB譜の例としては、以下のようなものが典型的な形です。
赤色の部分がルート音です。
上記はルート音を4弦3フレットのF音に取った時のFメジャーコードのパワーコードです。コードの押さえ方は図の形でほぼ決まりでしょう。4弦をルートにした場合のパワーコードはこの形になります。
上記のコードをパワーコードと言われて不思議に思う人は図1-3の譜面を見て下さい。この図の右2つはよく見慣れた5弦、6弦ルートのパワーコードですね。これら3つのコードはポジションが異なりますが、全く同じ音で構成されており同じものなのです。
以下でこの形のコードフォーム時のミュートに関して考えていきます。考慮すべきものは以下の3つです。
1弦のミュートは人差し指の付け根付近で触れておくことで行うことができます。他にも薬指や小指でも1弦に触れておけばより万全でしょう。1弦はコードを押さえているだけで自然にミュートされる形になるので、それほど神経質にならなくても良いかもしれません。きちんとミュートができているかどうかさえ意識しておけば良いでしょう。
次に5弦のミュートについて考えます。5弦のミュートは4弦3フレットを押さえている人差し指の先端部分で触れておくことで行います。また、中指が空いているので、中指も5弦に触れさせておくことでより完璧にミュートができます。
中指を5弦に触れさせるときに6弦にも同時に触れさせておけば、6弦のミュートもできて一石二鳥です。
最後に6弦のミュートですが、5弦のミュートで既に述べたように中指を5弦と同時に6弦にも触れさせておくことでミュートします。
このコードフォームを押さえる際のポイントは中指で5、6弦に触れてミュートすることです。慣れないうちは中指だけを浮かしてコードを押さえることが難しいかもしれませんが、ゆっくりじっくり練習すれば必ずできるようになります。
またピッキングに関してもある程度は意識しておくと良いです。鳴らすべき2、3、4弦のみにピックを当てれるように右手のストロークにも気を配って練習して下さい。 感覚としては右腕全体を大きく振るよりは、右手首のスナップを効かせてストロークすると狙った弦だけに当てやすくなります。
人によって「2、3、4弦にだけピックを当てればいいなら、左手のミュートは中指を使ってまでやらなくてもいいのでは」と思う人もいるかもしれません。もちろん右手のストロークの注意だけである程度はミュートできるでしょう。しかし、6弦にピックが当たっていないとしてもギターを弾いていればそのギター自体は振動します。ピックが弦に当たる衝撃や左手のコードチェンジなど、些細な要因でギターは振動します。このときに6弦が完全にフリーになっていると、それらの要因によって多少なりとも振動しノイズを発生させます。音量が小さかったり、アンプやエフェクターによる歪みが小さければあまり気にならないかもしれませんが、音量を上げたり歪みを強く掛けたりすると無視できないレベルになってしまいます。例えばライブ等を行う場合は、当然ある程度の大きい音を出しますから、ミュートが不完全だとそういう場で演奏した時にノイズだらけになってしまう可能性があります。そのような自体を避けるためにも、そうでなくともギターを弾く上で良い演奏をしたいのならば、不要な音はきちんとミュートすることを常に心掛けることが大事だと思います。