単音弾き

リードギターはその弾き方の中心が単音弾きであり、単音を繋いでメロディを演奏することが主な内容になります。単音で弾く際に注意するべき点、また弾き方のコツについて説明します。

ドレミファソラシドの例

単音弾きとは、その言葉通りに『単音』を弾いていくことを意味します。ギターを始める人の多くが和音(コード)を弾くことから始めると思います。和音は複数の音を同時に鳴らしますが(Cコードならド・ミ・ソ)、単音弾きは1音ずつ鳴らしていく弾き方です。主にメロディやソロなどを弾く場合が単音弾きになります。

単音弾きの例として、ここでは『ドレミファソラシド』を用いて単音弾きのポイントを説明したいと思います。まずドレミファソラシドのポジションを確認しておきましょう。図1-1がそのTAB譜、図1-2が指板上でのポジションの図になります。

図1-1. ドレミファソラシドのTAB譜例

options scale=0.9 options width=400 tabstave notation=true key=C notes :8 3-5-7/5 3-5-7/4 4-5/3 | text .22,人,中,小,人,中,小,人,中 text ++,.11,ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ド

図1-2. 指板上でのポジション

fretboard option frets=10 option width=300 show fret=3 string=5 text=人 show fret=5 string=5 text=中 show fret=7 string=5 text=小 show fret=3 string=4 text=人 show fret=5 string=4 text=中 show fret=7 string=4 text=小 show fret=4 string=3 text=人 show fret=5 string=3 text=中

ドレミファソラシドを弾いてみよう」のページで紹介しているポジションとは異なりますが、音は全く同じです。「ドレミファソラシドを弾いてみよう」のページでは開放弦を混ぜたポジションでしたが、図1は開放弦を用いていません。開放弦は左手が何も弦を押さえなくて良いので、開放弦が含まれているフレーズの方が楽なように思われますが、今回の図1の方が圧倒的に楽です。理由は図1のポジションが規則的になっているからで、フレーズに規則性があると覚えやすいだけでなく、弾きやすくもなります。

ポジションの比較はとりあえずここまでにして、ここからは図1のフレーズを用いて単音弾きのポイントについて考えていきます。


弾き方の一連の流れ

図1のフレーズを弾く際の一連の流れを文字に書きおこしてみました。実際に弾いて見るときに参考にしてみて下さい。

  1. 左手人差し指で5弦3フレットを押弦する、このとき左手はあらかじめ開いておき、5弦5フレット上に中指、7フレット上に小指を待機させておく。また、人差し指の先で6弦に触れておき、6弦のミュートも行う。
    右手はピッキングする前に手刀部分で6弦に触れておき、右手でも6弦のミュートの補助をする。そして5弦をピッキングしてドの音を弾く。

  2. 左手人差し指は5弦3フレットを押さえたまま中指で5弦5フレットを押弦。そしてピッキングし、レの音を弾く。

  3. 左手人差し指、中指をそのまま動かさず(それぞれの元のポジションを押さえたまま)5弦7フレットを小指で押弦。そしてピッキングし、ミの音を弾く。

  4. 左手の形を保ったまま4弦に移動し4弦3フレットを人差し指で押弦。もちろん指先で5弦に触れてミュートしておく。また、左手の形は保ったままなので、当然4弦5フレット上に中指、7フレット上に小指が待機しているはず。
    右手は少しずらして手刀部分が5、6弦に触れるようにしてミュートの補助を行う。そしてピッキングしファの音を弾く。

  5. 5弦の時と同様に人差し指は押弦している4弦3フレットから離さず、4弦5フレットを中指で押弦。ピッキングし、ソの音を弾く。

  6. 5弦の時と同様に人差し指、中指は押弦しているポジションから離さず、4弦7フレットを小指で押弦。ピッキングし、ラの音を弾く。

  7. 左手の人差し指と中指を少し閉じて3弦に移動し、3弦4フレットを人差し指で押弦。人差し指の先で4弦に触れてミュートもしておく。中指はもちろん3弦5フレット上に待機。
    右手はまた少しずらして手刀部分が4〜6弦に触れるようにして、ミュートの補助を行う。そしてピッキングし、シの音を弾く。

  8. 左手人差し指は元のポジションを押さえたまま、3弦5フレットを中指で押弦。そしてピッキングし、ドの音を弾く。


単音弾きのポイント

上記の一連の流れの中で重要なポイントの部分は赤字にしてありますが、それらをまとめて表現すると以下のようなことについて注意するということを意味しています。

  • 押さえるポジションをあらかじめ頭の中で整理しておき、ポジションのまとまりを意識する
  • 左手の指を無駄にバタつかせないこと。上の例のように、同一弦上に次の音がある場合は前の音のポジションから指を離さない
  • ミュートは両手をフルに使う。特に右手のミュートが大事

それぞれのポイントについて、以下でもう少し詳しく見ていきましょう。

押さえるポジションの事前確認

弾くフレーズのポジションをあらかじめ頭の中で整理しておくことは非常に大事です。一連のフレーズの中からまとまりのようなものを見つけ、そのまとまり毎にフレーズ全体を分けて考えると弾きやすくなります。

前のポジションから指を離さない

ある音の次の音を弾く際に、元の弾いた音のポジションから指を離さないでおくことも意識しましょう。上の流れでも例えば最初の5弦3フレットから次の5フレットの音を弾く際に、3フレットから人差し指は離さずにおきました。ここで、5弦5フレットを弾く際にそのポジションを中指で押さえているのだから、3フレットを人差し指でそのまま押さえておく意味がないと思われるかもしれません。確かに鳴る音については特に意味がありませんが、わざわざ次の5弦5フレットの音を弾くために人差し指を3フレットから離す動き自体は無駄です。次に鳴らす音に関与しないのだから、そのまま押さえておけばいいのです。

フレーズのテンポがそんなに速くない時は動きに多少の無駄があっても差は出ないかもしれませんが、テンポが速くなると小さな動きの無駄が致命的になってきます。 また、あまり指がバタつくようだと見栄えもよくなくカッコ悪いです。無駄のないスマートな演奏を心掛けましょう。

ミュートは両手で行う

単音弾きでは特にミュートに気を使いましょう。特に右手の使い方がポイントです。上の弾き方の流れの説明の中では常に右手はブリッジミュートしているような状態ですが、リードギターを弾く際はこれが基本だと思っておきましょう。

右手をブリッジミュート状態にしたままだと、ピッキングがやり辛いという方もいるかもしれませんが、そこは練習量でカバーします。ただ、ピッキングのアドバイスとして、右手首のスナップを効かせてピッキングすると楽になりますので、その点を意識して練習してみて下さい。

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