ギターを演奏する場合にたまに用いられるものの中にハーモニクス音というものがあります。特に特定のフレット上で出すことができるハーモニクス音のことをナチュラル・ハーモニクスと言います。ここではナチュラル・ハーモニクスについて少し詳しく説明します。
ハーモニクス音とは、特定のフレット上にのみ発生する倍音のことです。この特定のフレットというのは、弦長(弦の長さ)の1/n(nは整数)となるフレット位置のことです。たとえば、12フレットというのは弦長の2分の1の長さの位置であるので、このフレットではハーモニクス音を出せるということになります。また、5フレットは4分の1、7フレットは3分の1になっているのでこの位置でも鳴らすことができます。このように弦長の1/nとなるような特定の位置で鳴らす開放弦のハーモニクスを、ナチュラル・ハーモニクスと呼びます。
ナチュラル・ハーモニクス音はどのフレット上で鳴らすかによって出力される音の高さが変わります。上記の5, 7, 12フレット上のナチュラル・ハーモニクスを鳴らしてみても分かりますが、全部音が違います。
鳴らすフレット位置によるハーモニクス音の違いを以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
フレット | 弦長 | 倍音 | 音程 |
---|---|---|---|
5f | 4分の1 | 4倍音 | 2オクターブ上 |
7f | 3分の1 | 3倍音 | 1オクターブと5度上 |
12f | 2分の1 | 2倍音 | 1オクターブ上 |
5フレットのハーモニクスが1番高く、12フレットが1番低くなっています。ハーモニクスは「倍音」とも呼ばれますが、元となる音の n 倍の音がなります。つまり、12フレットのハーモニクスは n = 2 なので 2 倍音、5フレットは n = 4 なので 4 倍音となります。また、このnの数が2倍されていくごとに音がオクターブ上がります。2倍音のハーモニクスなら原音の1オクターブ、4倍音なら2オクターブ、8倍音なら3オクターブ上の音が鳴るわけです。
ナチュラル・ハーモニクスの弾き方(出し方)については以下のページを参考にして下さい。