ギターのチューニングについて、ここでは音叉を用いたレギュラーチューニングの具体的なやり方を説明します。チューナーを用いるチューニング方法と比べると少し面倒な部分がありますが、音叉さえあればどこでも手軽にチューニングできるので知っておくと便利です。
ここではギターのレギュラーチューニングを音叉で行う方法を説明します。チューニングの基礎事項やチューナーを用いた場合のギターのレギュラーチューニングのやり方は以下のページでそれぞれ説明しているので、そちらも参考にしてください。
また、音叉を用いたチューニングは基本的にアコースティックギターのチューニングを対象にします。エレキギターのチューニングを行いたい場合、エレキギターでは基本的にチューナーを用いますので、以下のレギュラーチューニングのリンク先を参考にして下さい。
具体的なチューニング方法に入る前に、まず音叉の使い方を説明します。音叉は大きく分けて、二又に分かれている部分と小さな球体が付いている部分に分けて考えることができます。このうち、球体が付いている方を持つのが音叉の持ち方です。そして音叉の二又に分かれている方をテーブルや膝などにぶつけることで音叉を振動させます。
音叉を振動させてもほとんど音は聞こえないと思いますが、この振動している状態の音叉の球体部分をギターのボディに当てると、音叉の振動がギターのボディに伝わり、結果としてポーンという高い音が聞こえます。音叉を用いてギターをチューニングする場合は、この音を基準にしてギターの弦のチューニングを行うことになります。
ここから具体的なチューニングの手順を説明していきます。
まず音叉の音とギターの5弦の音を合わせます。上で説明した方法で音叉の音を鳴らしたら、それと同時にギターの5弦の開放音を鳴らし、二つの音が合うように5弦のペグを回します。音叉の音とギターの5弦開放音は2オクターブ違いますが、どちらも同じ A 音なので、注意深く聞き比べることで5弦のチューニングを行うことができます。
下で音叉の音について説明しているように、音叉の音とレギュラーチューニングしたときのギターの5弦の開放音は、同じ A 音ではありますが2オクターブの差があります。したがって、より正確にチューニングを行いたい場合は、ギターの5弦のハーモニクス音を鳴らす必要があります。ただし、ハーモニクス音は慣れないうちはうまく鳴らせないこともあり、やや難易度が高いです。ハーモニクス音を用いる方法は以下のページで説明しますので、参考にして下さい。
音叉の音は一般的に周波数が440Hzの音を鳴らします。一方で、ギターをレギュラーチューニングでチューニングした場合の5弦の開放音は A 音ですが、この5弦開放音の A は周波数で表すと110Hzなのです。音の高さは、周波数が2倍になると1オクターブ上がります。440Hzは110Hzの4倍ですから、2倍のさらに2倍ということで、2オクターブ高い音になります。
音叉の音と5弦の音を合わせたら、他の弦のチューニングに移ります。以降では音叉は使いません。
まずは6弦を E 音に合わせます。手順としては、6弦の5フレットを押さえて鳴らした音と、5弦の開放音が一致するように6弦をチューニングします。これら二つの音を同時に鳴らし、聞こえてくる音にうなりが生じるようであれば音が合っていないということなので、6弦のペグを回して調節します。6弦のペグを回す理由は、すでに5弦は音叉によってチューニングしてあるため、5弦の音は正しい音を鳴らしているからです。
6弦をチューニングできたら、次は4弦をチューニングします。4弦のチューニングでは、5弦5フレットの音と4弦開放音を合わせます。手順は6弦のチューニングと同じなので細かな説明は省きます。5弦5フレットの音と4弦開放音にうなりが生じているようなら、両者の音が合っていないということなので、4弦のペグを回して4弦の音を調節します。ここでも6弦のチューニング時と同じように、5弦は既にチューニング完了済みであるから、音が違うようであれば4弦のペグを回して4弦の音を調節します。
4弦をチューニングしたら、次は3弦をチューニングします。4弦の5フレットの音と3弦開放音を合わせます。二つの音にうなりが生じているようなら、3弦のペグを回して3弦の音を調節します。
次に2弦のチューニングを行いますが、2弦のチューニング時は注意点があります。これまでの流れから考えると、3弦5フレットの音と2弦開放音を合わせるとなりそうですが、そうではありません。2弦のチューニング時は、3弦の 4フレット の音と2弦開放音を合わせます。今までと違い、5フレットではなく4フレットの音であることに注意して下さい。
3弦の音が基準なので、回すペグは2弦です。
最後に1弦をチューニングします。これは今までと同じく、2弦5フレットの音と1弦開放音を合わせます。回すペグは1弦です。
以上で、音叉を用いたレギュラーチューニングの方法についての説明は終わりです。参考までに、レギュラーチューニング時の各弦の開放音と5フレット(4フレット)音を図にしておきます。
以下のページでは、本ページで説明していなかったハーモニクス音を使った5弦のチューニング方法を説明していますので、そちらも参考にして下さい。