TAB譜にはたくさんの数字が書かれていますが、その数字の並びには縦方向と横方向があります。縦の方向と横の方向の数字の意味を理解すれば、特殊な演奏記号を除いて、自分でTAB譜を読み進めていくことができます。
まず、前ページ「TAB譜の読み方(基本事項)」の最初の方で示していた図を再掲しておきます。
一般的なTAB譜は図1のようにたくさんの数字が色々なところに書かれています。しかし、じっと譜面を眺めていると、その数字の書かれ方には縦方向と横方向があることが分かると思います。この2つの書かれ方の違いを理解しましょう。
まず図2を見て下さい。数字が縦に並んでいる部分が4つあります(数字が縦方向に1つのみでも1つの部分と見なします)。このような縦に数字が並んでいる部分は、それが1つの音のまとまりを形成することを表します。演奏上では、この縦に並んだ数字の部分はそれら全ての音をまとめて同時に鳴らすことを意味します。
例えば縦方向の数字のまとまりの内、一番左のまとまりは上から「01023」と数字が並んでいますが、これら5つの音を同時に鳴らすことを意味しています。つまり、「1弦の開放弦の音、2弦1フレット(を押さえた時)の音、3弦の開放弦の音、4弦2フレットの音、5弦3フレットの音を同時に鳴らす」と言うことです。
同じように左から2番目のまとまりは「1弦3フレットの音と2弦3フレットの音を同時に鳴らす」、3番目は「5弦5フレットの音と3弦7フレットの音を同時に鳴らす」、4番目は「2弦10フレットの音を鳴らす」となります。
前ページ「TAB譜の読み方(基本事項)」でも触れたように、各まとまりの中で数字が書かれていない弦は鳴らしません。つまり、左から1番目は「6弦は鳴らさない(弾かない)」、2番目は「3〜6弦は鳴らさない」、3番目は「1、2、4、6弦は鳴らさない」、4番目は「2弦以外は鳴らさない」という意味も含んでいます。
次に数字の並びの横方向についてです。直感的に既に理解しているかもしれませんが、横方向の並びは弾く順番を表しています。図2のように縦の並びの音のまとまりを譜面の一番最初から右方向に向かって順番に弾いていきます。図3を例にすれば、①から順番に ① → ② → ③ → ④ と弾いていくということです。