TAB譜の読み方(基本事項)

ギターやベース用の楽譜にはTAB譜というものが大抵の場合は付いています。このTAB譜というものはギタリストやベーシストが楽譜をより直感的に理解しやすいように書かれており、ギターを始めたばかりの人でも容易に読める譜面です。とはいえ、何も知識が無い状態で理解することは難しいので、ここではこのTAB譜の読み方の基本的なことについて説明します。

TAB譜

TAB譜とは、主にギターやベース用に書かれた楽譜のことです。楽譜として一般的な5線譜との違いは、ギターやベースの演奏者が譜面をより直感的に理解できるように書かれていることです。

5線譜が読めないけど大丈夫?

これからギターを始めようと思っている人の中には楽器演奏の経験などが無く、5線譜が読めない人も多いと思います。そのような場合には譜面が読めるか心配になるかと思いますが、その点は心配しなくても大丈夫です。TAB譜は5線譜が読めなくても理解できます。もちろんTAB譜だけでも読めるようになるためには、TAB譜についての知識が必要なのでTAB譜について多少なりとも覚えたり理解することが必要ですが、それでも5線譜の読み方を一から勉強するよりは遥かに簡単です。


TAB譜の基本的な読み方

それでは、具体的にTAB譜を見ながらその読み方を理解していきましょう。図がTAB譜と呼ばれるものです。

図1には譜面らしきものが2種類記されているのが分かると思います。図の上側に書かれているものが「5線譜」です。こちらは音楽の授業などで見たことがあるのではないでしょうか。一方で5線譜の下側にも譜面がありますが、これが「TAB譜」と呼ばれるものです。

TAB譜と5線譜の見分け方

5線譜の一番左側にはクニャクニャした記号が書かれており、これは「ト音記号」と呼ばれるものです。一方でTAB譜には一番左側に「TAB」と書かれています。実に分かりやすいですね。TAB譜はその譜面の一番最初に「TAB」と表記されていますので、どれがTAB譜か分からなくなることはまず無いでしょう。

図1. TAB譜

TAB譜の例

ここから具体的なTAB譜の意味、読み方を追っていきましょう。

TAB譜の横線の本数と意味

TAB譜には横線が6本引かれていますが、これはギターの弦を表現しています。その対応関係は図2に示したように、TAB譜の一番上の横線がギターの1弦に対応し、そこから1つ下にいく毎に2弦、3弦、と対応していき、最後の一番下の横線がギターの6弦に対応します。

ベースのTAB譜

バンドスコア等ではギターだけでなくベースやドラムの譜面も記載されています。スコア内のベースの譜面を見てみると同じようにTAB譜がありますが、こちらはギターと少し異なり横線が4本になっています。これはベースの基本的な作りが4本の弦であるため、それに対応してベースのTAB譜は横線が4本となっています。

多弦ギター、多弦ベース

ギターは基本的に6本の弦で構成されますが、ものによっては7弦、8弦といったギターもあります。また、ベースについても同様に5弦、6弦ベースというものもあります。

例えば、ある曲がこのような多弦ギター、多弦ベースを用いて演奏されている場合は、当然そのスコアのTAB譜の横線も使われている楽器の弦の本数に対応して増えることになります。

図2. TAB譜の横線とギターの弦の対応

TAB譜の横線とギターの弦の対応

TAB譜内の数字の意味

図3. 横線上の数字はフレット位置を表す

options scale=0.9 options width=320 tabstave notation=true key=C notes :q (3/5.2/4.0/3.1/2.0/1) |

TAB譜内の横線の上にはたくさんの数字が書かれています。これはギターの弦を指で押さえる際のフレットの位置を表現しています。

図3を例にすると、TAB譜の一番上の横線(1弦を意味する)から5番目の線(5弦を意味する)まで数字が書かれており、一番下の線(6弦を意味する)には何も書かれていません。数字の表記のパターンとしては大まかには以下の3つに分類でき、それぞれで意味が異なりますので、1つずつ覚えていきましょう。

  • 1以上の数が書かれている場合
  • 0が書かれている場合
  • 何も数字が書かれていない場合

1以上の数字が書かれている場合

1以上の数字がTAB譜の横線上に書かれている場合は、既に述べたように弦を押さえるフレットの位置を表します。例えば図3のTAB譜内で上から2番目の横線(2弦を意味する)には「1」が書かれていますが、これはすなわち「2弦の1フレットを押さえる」ということを意味します。

図3には他にも1以上の数が上から4番目の横線(4弦を意味する)に「2」、上から5番目の横線(5弦を意味する)に「3」が書かれていますが、これらも同じようにそれぞれ「4弦の2フレットを押さえる」、「5弦の3フレットを押さえる」という意味を表します。

0が書かれている場合

0がTAB譜の横線上に書かれている場合は、上記と異なりその「0」が書かれている弦を押さえず、そのままの状態で弦を鳴らすことを表します。このように指でどこも押さえずに鳴らす弦のことを開放弦と呼びます。図3のTAB譜内では、上から1番目の横線(1弦)と、上から3番目の横線(3弦)が開放弦であることを意味します。

何も数字が書かれていない場合

TAB譜の横線上に数字が書かれていない場合は、その弦を鳴らさない(弾かない)ことを表します。図3のTAB譜内では、一番下の横線(6弦)が鳴らさない(弾かない)弦であることを意味します。

このように特定の弦を鳴らさないでおく(鳴らさないようにする、弾かないようにする)ことをミュートすると言います。


弦を押さえるコツは?

ここではTAB譜の表す基本的な意味の1部分を説明しましたが、図3の譜面をとりあえず押さえて弾いてみた人もいると思います。その際に上手く弦を鳴らせなかった場合は次のページを参考にしてみてください。弦を綺麗に鳴らすにはちょっとしたコツが必要なのです。

弦の押さえ方(弦を綺麗に鳴らすコツ) »

TAB譜の数字の横の並びと縦の並び

図3のTAB譜は縦に数字が並んでいるものだけ記してありますが、一般的な譜面では図1のように横にドンドン数字が書かれていきます。TAB譜の横線の意味と書かれている数字の意味が理解できたら、次は横にドンドンを書かれていく数字の意味についても理解しましょう。

TAB譜の読み方その2(数字の縦並びと横並び) »

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