スライドとグリス(グリッサンド)

ギターの演奏テクニックの一つである『スライド』、『グリス(グリッサンド)』について説明します。これらのテクニックはどちらも弦を押さえている指を弦上で滑らせていくことで音を繋げるテクニックです。

スライド

スライドは、あるフレットから同じ弦上の別のフレットへ指を滑らせて音をつなげるテクニックのことです。TAB譜上では「s」、「sl.」として表記されます。譜面の例としては図1のようなものです。

TAB譜上では多くの場合、記号と共につなげる音同士の間に斜めの線が書かれます。これによって音が上がっていくのか下がっていくのか、分かりやすくなっています

スライドの弾き方

スライドは直感的にその弾き方が分かるかと思いますが、綺麗に弾くためにはいくつかポイントがありますので、それを図1を例にして見ていきましょう。

押弦する指の選択

図1では演奏する際にポジションを押さえる指を表記してあります。そのほとんどが中指を使っています。これにはもちろん理由があり、中指を使って弾くことで人差し指を他の不要な弦のミュートに使えるのです。

図1. スライドの例

options scale=0.9 options width=320 tabstave notation=true notes 7s10/2 | (8/1.8/2)s(10/1.10/2) | 5s15s10/4 | text .22,中,中,|,薬,薬,|,中,中,中 text ++,.24, , ,|,中,中 options space=15

人差し指で不要な弦をミュート

中指でポジションを押さえる場合、人差し指は押さえているポジションより必ず後ろ側にありますから鳴らす音の邪魔をせずに自由に動かせます。1〜6弦すべてとは言わなくとも幅広く指板上に置いておけるので、空いている人差し指を伸ばして弦に触れさせておけば効果の大きいミュートができます。図2では隣の弦をミュートと書いてますが、より多くの弦をまとめてミュートできます。

スライドは一見すると簡単なテクニックですが、ノイズのない綺麗な演奏を行うためにも上記のような細かなところにも意識を向けてみると良いでしょう。

図2. 人差し指によるミュート

スライドを演奏する際はミュートがポイント

グリス(グリッサンド)

グリスはグリッサンド(glissando)の略で、スライドと同様に弦上で指を滑らせて音をつなげるテクニックです。TAB譜では「g」、「gliss.」と表記されます。その弾き方もスライドと同じなので、あまり困ることはないと思います。

スライドとグリスの違い

スライドとグリスの違いがどこにあるかを見ていきましょう。まず、スライドは上で説明したとおり、つなげる2音が決められています。図1の左側のTAB譜例を見ると、2弦8フレットの音と2弦10フレットの音をつないでいます。これに対し、グリスはつなげる2音のどちらかが決まっていない場合を表現します。

図3. グリスの表現による違い

グリスの上昇パターン例
グリスの下降パターン例

グリスパターン

図3にはいくつかの譜面を示してますが、どれも3弦9フレットに対するアクションを表しています。上昇パターンの左側は適当なローフレット位置からスライドしてきて9フレットで止まります。一方で右側は9フレットからハイフレット方向へスライドさせていき、適当なところで終わらせます。下降パターンも同様で、左側は適当なハイフレット位置からスライドして9フレットで止まります。一方で右側は9フレットからローフレット方向へスライドさせていき、適当なところで終わらせます。このようにグリスはつなげる音のどちらかが決まっていない場合を表現します。

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