ギターの演奏テクニックの一つである『ハンマリング・オン』、『プリング・オフ』について説明します。ハンマリング・オンは単にハンマリング、プリング・オフはプリングと略して呼ぶことが一般的です。これらのテクニックはどちらも弦を押さえている手の指だけを用いて音を出す奏法です。
ハンマリング・オンとは、しばしば単にハンマリングと呼ばれます。譜面上では「H」、または「h」の文字で表されます。その弾き方は、指示されたフレットを指で叩くというものです。図1の例を元にもう少し詳しく見ていきましょう。
まず、図1の①について考えましょう。これを弾く手順は次のようになります。
同様に、図1の②については次のようになります。
上記2つの例のどちらにも共通していますが、ハンマリングする際にはその前の音の弦を押さえている指を弦から離さないことです。指を残したままにしておくことで、ハンマリングが正確に行えますし、動きに無駄がなく滑らかな演奏が可能になります。
プリング・オフは、単にプリングと略されて呼ばれることが多いです。譜面上では「P」、または「p」の文字で表記されています。その弾き方は、見かけ上はハンマリングの逆の動作なのですが、実際の演奏方法としては別物であると考えたほうが良いでしょう。やってみると分かりますが、ハンマリングの逆と考えて単純に指を弦から離しただけでは音は出ません。
まず、図2の①について考えましょう。これを弾く手順は次のようになります。
同様に、図2の②については次のようになります。
プリングのポイントは弦を指先で「はじく」ことです。指先の腹で引っかくようにしてはじく弦をはじきます。最初ははじく感覚が中々つかめず難しいと思いますが、根気よく何度もチャレンジしてみて下さい。
また、プリングの際に使用する指はすべて最初の段階で弦を押さえておきます。上で説明した手順でもそうでしたが、ピッキングの前にすべての必要なポジションに指を置き、事前に準備を行っています。プリングを絡めた演奏では、この事前準備をどれだけ速く行えるかでプレイの質が変わりますので、即座にすべてのポジションに指を置けるように練習しておくことが大事です。
このページのポイントをまとめておきます。