ギターの基本的なピッキングテクニックがオルタネイト・ピッキングというものです。オルタネイト・ピッキングはダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを交互に繰り返すという非常にシンプルなもので、特に名前を知らなくてもこのピッキングで演奏している方も多いはずです。ここではオルタネイト・ピッキングについて説明します。
オルタネイト・ピッキングはダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを交互に繰り返して行うピッキングのことです。オルタネイト・ピッキングで弾くことを単純に「オルタネイトで弾く」と言うことも多いです。オルタネイト・ピッキングは演奏方法のことを言っているだけなので、演奏するフレーズがどのようなものでもダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを規則正しく交互に繰り返して弾けば、それはオルタネイトで弾いていることになります。また、ピッキングについての話の中ではダウン・ピッキングは単にダウン、アップ・ピッキングは単にアップと略して呼ぶことが多いです。このページでもダウン、アップ、オルタネイトの略称で以下は説明します。
例をいくつか見ていきましょう。
以下の譜例は3弦上でオルタネイトするパターンです。3弦しか使っていないのでオルタネイトの感覚をつかみやすいと思います。フレーズに関しては、16分音符4つで1つのかたまりを作っており、ポジションを上下させながら繰り返すフレーズです。
同一弦上でのオルタネイト・ピッキングのパターンとして、次のような開放弦を混じえたものもよく見かけるフレーズです。図2は開放弦を混じえたオルタネイトの典型的なパターンです。これも1弦しか使っていないので、オルタネイト・ピッキングの感覚をつかみやすいと思います。
同一弦上でのオルタネイトは動きがシンプルな分、無駄の少ないコンパクトなピッキングを意識すると良いです。図3はピッキングの際の振れ幅を表した図ですが、右手の振り幅が大きいとそれだけ無駄な動きが生じます。ピッキングの際は腕全体を使うのではなく、手首のスナップを効かせてピッキングするように意識するとコンパクトなピッキングが可能になります。
上記の2つの例はピッキングする弦が常に同じフレーズでした。音符の数だけ見ると難解そうに思えますが、実際に弾いてみると非常にシンプルな譜面であることが分かると思います。上記の譜面を見る限りでは簡単に思えるかもしれません。しかし、一般的には複数の弦を弾いていくフレーズの方が多いです。そして、そのような場合はピッキングの弦移動を行う必要があります。弦移動を含む場合のオルタネイトはこのページの例のように単純ではなく、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。以下のページでは、そのような弦移動を含むオルタネイトについて考えていきます。
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