ここでは5線譜に書かれている音符が表す音について、調号も含めて説明していきます。調がハ長調かイ短調(キーがCまたはAm)のときは調号に♯や♭が現れないのでカンタンですが、それ以外の調では♯や♭がでてくるので音符の読み取りが少し複雑になります。
ここでは調号に♯や♭が書かれている場合の音符の読み方について説明します。そこでまずは調号に♯や♭が何も書かれていない場合についての音符の音を確認しておきます。
♯は半音上げる、♭は半音下げるという意味の音楽記号です。
また、調号に♯や♭が何も書かれていない場合、調がハ長調、またはイ短調であることを表します。キーで言い換えると、キーがC、またはAmであるということです。
次に調がト長調またはホ短調(キーがGまたはEm)のときを考えます。このときの調号は図2のようになります。調がト長調かホ短調のときは5線譜の第5線上に♯が1つ付きます。
赤色の音符がF♯になる理由はカンタンで、なぜなら赤色の音符は調号の♯がついている線(今の場合は第5線)と同じ線上にある音符だからです。実は、調号の♯の意味は、その♯が書かれている位置(線上または隣り合った2線の間)と同一ライン上にあるすべての音符の音は♯を付けた音として解釈する(演奏する)ということを表しています。
上の文章内で「すべての」の部分を赤字で書きましたが、この部分も重要です。たとえば、図4のようにト長調の譜面上で第5線上(調号の♯がある線上)にいくつかの音符が現れた場合を考えると、それらすべてをF♯の音として解釈するということです。これは小節線による区切り等は関係なく、特別な理由が無い限りは1つの曲を通して守られるべきルールです。
次に図3の緑色の音符について考えます。この音符は調号の♯のある位置とは異なる位置の音符です。しかし、この緑色の音符も元(ハ長調またはイ短調で)は赤色の音符と同じF(ファ)の音で、赤色の音符と緑色の音符は1オクターブ異なるだけです。このようにオクターブ異なる音符にも調号の♯は効いてきます。つまり、緑色の音符も♯を付けて解釈するということになります。調号の♯が効いてくるのは1オクターブ下だけでなく、1オクターブ上の音符や2オクターブ上、3オクターブ下の音符にも効いてきます。図5のようにどれだけオクターブの差があったとしても、それがFの音であるならばそれらすべてに♯を付けて解釈します。
ここでは調号に♯が1つのみ現れる場合の音符の解釈について説明しましたが、これが♭であったときや複数の♯、♭が書かれている場合でも同じです。その記号が書かれている位置と同じ位置の音符、その音符のオクターブ違いの音符はすべてその調号に記されている記号を付けて解釈します。
調号に♯や♭があるときの各音符の音の読み取り方は分かりました。次のページでは、調号ではなく譜面内に書かれている音符に直接♯や♭が書かれている場合を考えます。