ギターを弾いている中で、ある曲のキー(調)を知りたい、という状況に遭遇した人は結構多いと思います。でも、どうやって調べればわからない、という人も多いはず。このページでは曲のキーの調べ方について見ていきます。
まず、図1を見て下さい。
上図の水色で囲まれた部分に注目します。楽譜(バンドスコア等も含めて)の一番最初の部分には必ずこの水色で囲まれた部分があります。クネクネした記号は「ト音記号」と呼ばれるものですが、その横に#が2つ書かれています。これがその曲のキー(調)を表し、この部分を調号 (Key Signature) と言います。上図の例のように、#が2つ書かれている場合はキーがD、またはBmであることを表します。
義務教育の音楽の授業で「ハ長調」や「イ短調」といった言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。曲のキーとはこれらの「調」と同じものです。 キーを日本語で表したものが「調」なのです。「ハ長調」を英語で表現したものが「キーがCである」です。「イ短調」は「キーがAm」と同じ意味ですし、「キーがD」は「調がニ長調」、「キーがBm」は「調がロ短調」と同じ意味です。
上で「調号として#が2つ書かれていたらキーがD、またはBm」と書いたように、調号を見ただけでは曲のキー(調)を完全に決定することはできません。可能なのは、「〜長調」か「〜短調」の2種類に絞り込むことだけです。
とはいえ、2種類に絞り込めるだけでもかなり意味があることですから、まずはこの調号から2種類のキーへの絞り込みについて考えましょう。
キーにはいくつか種類がありますが、それはト音記号の横に書かれている#、または♭の数で決定されます。そのまとめを下に記しておくので、もし何かの曲のキーを知りたい時は、その曲の楽譜の最初を見てト音記号の横の#、または♭の数を確認し、下の表と照らし合わせることでキーを2種類に絞り込むことができます。
No | メジャーキー(長調) | マイナーキー(短調) | #または♭の数 | 調号 |
---|---|---|---|---|
1 | C(ハ長調) | Am(イ短調) | # = 0(♭ = 0) |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=C
|
2 | C#(嬰ハ長調) | A#m(嬰イ短調) | # = 7 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=C#
|
3 | D♭(変ニ長調) | B♭m(変ロ短調) | ♭ = 5 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Db
|
4 | D(ニ長調) | Bm(ロ短調) | # = 2 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=D
|
5 | E♭(変ホ長調) | Cm(ハ短調) | ♭ = 3 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Eb
|
6 | E(ホ長調) | C#m(嬰ハ短調) | # = 4 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=E
|
7 | F(ヘ長調) | Dm(ニ短調) | ♭ = 1 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=F
|
8 | F#(嬰ヘ長調) | D#m(嬰ニ短調) | # = 6 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=F#
|
9 | G♭(変ト長調) | E♭m(変ホ短調) | ♭ = 6 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Gb
|
10 | G(ト長調) | Em(ホ短調) | # = 1 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=G
|
11 | A♭(変イ長調) | Fm(ヘ短調) | ♭ = 4 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Ab
|
12 | A(イ長調) | F#m(嬰ヘ短調) | # = 3 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=A
|
13 | B♭(変ロ長調) | Gm(ト短調) | ♭ = 2 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Bb
|
14 | B(ロ長調) | G#m(嬰ト短調) | # = 5 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=B
|
15 | C♭(変ハ長調) | A♭m(変イ短調) | ♭ = 7 |
options scale=0.9
options width=300
tabstave notation=true tablature=false key=Cb
|
No | メジャーキー(長調) | マイナーキー(短調) | #または♭の数 | 調号 |
まずキーを知りたい曲の楽譜から調号を確認し、それと上の表の調号を比べます。各行、つまり各調号には必ずメジャーキー(長調)1つとマイナーキー(短調)1つの2つの調が対応しているので、曲のキーはこのどちらかに絞り込むことができます。
例えば、キーを知りたい曲の楽譜に図2の調号が記されている場合は、上の表からキーはA♭、またはFmだということが分かります。
ここまででキーは「〜メジャー」か「〜マイナー」のどちらかであることは判別できるようになりました。あとはこの2つの内、どちらのキーがその曲のキーなのかを判断するだけです。しかし、これには絶対という方法は存在せず、その曲の構成から推理することになります。推理する方法はいくつかありますが、ここでは最もシンプルな方法を紹介します。
そのシンプルな方法とは、曲の印象で判断する方法です。その曲を聞いた時、「明るい感じ」がしたらメジャーキー、「暗い感じ」がしたらマイナーキーです。もしキーを知りたい曲の調号が上の例のパターンであった場合、その曲が明るい感じの曲ならキーはA♭、逆に暗い感じの曲ならキーはFmと判断できます。
ある曲のキーを知りたい時は以下の手順で判断できます。